ガイアの夜明けの「シュレッダー係に異動の社員・4か月休みなし月300時間労働のアルバイト」を観ましたか?

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ガイアの夜明けは全て撮り溜めていて大好きな番組です。

7月25日の放送では「密着!会社と闘う者たち 第2弾」ということで大手チェーンの「温野菜」と「アリさんマークの引越し者」で不当な労働環境で働く若者の訴えをとりあげた回でした。想像を絶する環境で働いている人がいることを知りました。

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温野菜のアルバイトは月300時間働いて15万7千円

最初に紹介されたのは大学生の時に「しゃぶしゃぶの温野菜」で長時間アルバイトをさせられていた方です。内容としては、

  • 4か月休日なしで働かされた
  • 月に300時間以上働き給料の総額はMAX給料156,923円
  • 時給換算すると450円
  • お皿を割ったりら〇時間分の給料なし
  • 暴力や脅迫行為が日常茶飯事

という驚きの労働条件です。

「おかしいと思ったらすぐに辞めればいいのに」というのが僕の意見ですが、この方は「懲戒解雇にしたら就職に響くよ」と脅されていた?ようで大学に行かずに働き続けていました。

アリさんマークの引越社は「アリ地獄」

「アリさんマークの引越社」では営業職として働いていた社員が労働環境の改善を会社に訴えたところ「シュレッダー係り」にされた。という内容です。

  • 勤務時間342.8h、残業時間147h、手取り給料272,602円
  • 車両事故を起こしたら会社から修理代を請求される
  • 借金がどんどん増えて辞められない「アリ地獄」
  • 懲戒解雇処分が顔写真&罪状入りで社内に貼り出される

給料が低すぎますし、会社で車の保険にも入っているはずなのに車の修理代を会社から負わされるなんて本当にありえないです。

労働環境の改善を求められて当たり前な社内環境なのに、「シュレッター係り」と言う名の追い出し部屋に異動させられ、ついには懲戒解雇だと社内に貼りだされるなんて現代社会とズレ過ぎています。「懲戒解雇は労働者として死刑。ひどすぎます」と話していた従業員の方がとても印象的でした。

 

引越社の副社長がインタビューに答えていましたが、明らかに悪人の顔をしていました。実際にヤクザ口調でジャーナリストに怒りをぶつけているシーンも流れました。

労働環境をよくするために立ち上がる行為

温野菜とアリさんマークの引越社で働いてた2人の男性は不当な労働環境を変えるために弁護士、労働組合を通して裁判所に訴えるという行動をおこしています。

テレビでみたら「こんな働かされ方をしたら訴えて当たり前だ」と誰もが感じるはずです。でも実際にこの人達と同じ職場で働いていたり、近くで生きていたら本当にそう思いますか?

僕は無駄なことに時間を使いたくない人間なので「労働環境が悪いから違う会社に移ろう」と考えてしまい、「この会社の労働環境を変えてやろう」とは思えない人間です。

会社を辞めて他の会社で働く選択まではしなくとも、悪い労働環境のなかでなんとか静かに生きていく努力をする人がほとんどなはずです。

 

そんななか「自分の人生をかけて会社を訴える」という行為を行っている人を今回ガイアの夜明けで知り、素直に尊敬しました。こういう人がいてくれるから少しずつでもおかしい社会がマシになっていくんです。

訴えられたらしっかり対応しようよ

この他にもコンビニのサンクスで「業務開始まで常に20分間タダ働き」させられていたとしてアルバイトに訴えられ70人分のアルバイト代500万円を支払った事例、や個人指導の明光義塾で「授業以外の手当てが十分じゃない」として訴えられ4億5000万円の支払いを会社が行った事例が紹介された。

放送時間としては2社で1分間にも満たない時間でした。アリさんマークの引越社と温野菜はそれぞれ数十分ずつ紹介されていたので、放送時間の差は歴然です。この4社の違いは「訴えられてしっかり認めて償ったかどうか」だけです。訴えられてムキになって更に従業員に嫌がらせをしたアリさんマークの引越社は本当に愚かなことをしています。幹部があんなチンピラみたいな人達ならばしょうがないようにも思います。

いい会社として放送されているのなら放送時間は長い方がいいですけど、この放送のされ方は単なるネガティブキャンペーンです。ガイアの夜明けの影響力は高いと思っているので、アリさんマークの引越社と温野菜はこの放送でかなりのマイナスイメージをもたれたはずです。

人件費を削らないと成り立たないビジネスモデル

 りょうへいさん (@ryoheifree) も言っていますがフランチャイズって結構きついんです。店舗が大量にあって流行っているように外から見えても、従業員はサービス残業をいっぱい強いらることが当たり前におこっています。

フランチャイズ店はロイヤリティー(フランチャイズ加盟店が本部の商品やノウハウを利用する時に支払うお金の事)を支払わないといけないので、個人店とくらべると当然利益は悪くなります。

その代わり「有名店なのでお客さんが個人店よりは入店しやすい」というメリットをえることができます。店の看板あげるから毎月売上の〇%納めて。という仕組みです。

 

「ロイヤリティ」と「食材費」は絶対に支払わないといけないのでフランチャイズ店の店長さんが行える経営努力は「人」のところになります。

「アルバイトの教育を行ってお客様満足度を上げる」ことを第一に考えるといいお店になりますが「人件費を減らす」ことを考えてしまう店長さんはもう負のスパイラルです。

ギリギリの人件費でお店をまわす→教育がいきとどかない→お客様満足度が上がらない&アルバイトが長続きしない→売上が増えない&新人教育に時間をとられる→社員と一部のアルバイトが無理をしてお店をまわす

きっとうまくいっているフランチャイズ店もあるんでしょうが、そもそも「儲かるのは本部だけ」というのがフランチャイズです。「飲食店を始めやすいから」という安易な理由でフランチャイズ店を始めてしまうのは危険です。温野菜みたいにならないようによく考えてから始めてください。

働いた分の報酬を渡せば問題にならない

残業しないと会社がまわらない。休みを減らして働かないと会社がつぶれる。

正直こういうことはよくあるのが今の日本です。「そんな会社つぶしてしまえ」という人も多いですが、そんな簡単な問題ではないです。社会から必要とされているから売上が発生してますし、従業員を食べさせていくために本当にしょうがなく長時間労働をしてもらわないといけなくなっているかもしれません。

問題は長時間労働をしているのに給料が低い」という点です。残業をしているなら残業代をきちんと払えば不満もでません。

労働に対してお金を払わないように経営層が努力してしまうから、従業員が不満をもって辞めたり訴えたりするんです。

難しいことは言わないで働いた分の報酬を支払うように経営層の人は努力をしてください。現場の責任者に残業時間を削らせるように圧力なんてかけないでください。

さいごに

長時間労働はよくないです。休みなく働かせるのもよくないです。不満をもって訴えてきた従業員に制裁を与えるような会社は最低です。

経営層の人間は人件費を削減したいなら「残業しなくてもまわる仕組み」をつくることに注力してください。残業代を支払わないための努力をしているなら自分の働き方を見つめ直してください。

自分の子供に自慢できる働き方をしてください。